昨年度の最終課題の内容と成績評語の付与基準を,参考までにお示しします。今年度については,最終課題の内容は異なるものとなる見込みですが,以下のように,事前に課題と採点基準を公開したうえで,最終課題に取り組んでいただきます。きちんと学修をすすめれば,よい成績が付くことがご理解いただけるかと思います。
昨年度の例
1. 課題について
・最終課題は以下の通りです。
・この掲示に添付のテンプレートを用いてMicrosoft Wordで執筆するか,この様式に準じてLaTeXで執筆してください。
・以下の問題1から3まで分けて(改ページして)執筆し,一つのファイルとし,PDFファイルに変換し,PDFファイルを教職ログブックに提出してください(執筆内容の破損を防止するためです) 。
・指定の様式に沿っていないものは評価対象としないことがありますので注意してください。
・提出期限は2021年1月17日(日),厳守です。教職ログブックの締め切り時間を1月18日0時に設定してあるので間違わないように注意してください。
2. 課題の内容
[問題1] 教科書254ページに「教師は,個々の学習者の見方や考え方,知識に配慮すると同時に,学習者集団全体の傾向にも配慮しなければならない。そして,これらの状況を踏まえて, 学習者が意味そのものや意味のある経験を構築できるようにしなければならな い。また,個々の学習者が教育課程全体を通して能力を伸ばせるように,教師は意味のある適切なフィードバックを与えられるような熟練した知識と考え方を有していなければならない。」とある。この内容に関して,以下の問いにこたえなさい。
[小問1] 学習者に与えるフィードバックの効果の大きさ(効果量)を教科書を引用して示し,集団の平均偏差値に換算するとどの程度の差となるのかを述べなさい。
[小問2] ここでいう「適切なフィードバック」とはどのような特質を持つのか,教科書を引用して説明しなさい。
[小問3] 上記2で説明した「適切なフィードバック」がなぜ学力(学習成果)に影響をあたえるのかを,「動機づけ」,「自己効力感」,「メタ認知」,「先行オーガナイザー」「自己調整学習」の5つの用語のうち3つ以上を用いて,図表を使い,電子ブックを引用して,教育心理学的に合理的に説明しなさい。
[小問4] 小問1から3までで引用した文献のリストを指定された様式で作成しなさい。
[問題2] 教科書254ページに「教師は,学習者に提示する考え方を一面的なものから次第に多面的なものにするように努め,これらを関連づけた思考を促し,さらに考え方を拡げるように仕向け,学習者が知識や考え方を構築,あるいは再構築できるようにしなければならない。学習者に知識や考え方を与えるのではなく,学習者自身が知識や考え方を構築することが重要なのである。」とある。この内容に関して,以下の問いにこたえなさい。
[小問1] 「浅い理解」「深い理解」「構成的概念的理解」とはどのような理解なのか,教科書を引用して説明しなさい。
[小問2] 「深い理解」を促すには学習者がどのような思考や処理を行えばよいのかを,図表を使い,電子ブックを引用して,教育心理学的に合理的に説明しなさい。
[小問3] 小問1から2までで引用した文献のリストを指定された様式で作成しなさい。
[問題3] 教科書265ページに「どのように指導方法を変えたり,別の学習方略を学習者に示したりすべきか,また効果的な指導方法や学習方略とはどのようなものなのかを教師が専門的に学ぶことこそが効果的」とある。この内容に関して,以下の問いにこたえなさい。
[小問1] 学力に影響をあたえる諸要因や教師が行う介入の単独の効果を取り上げるのではなく,これらの組合せを検討して実際の学習指導を行うことがなぜ必要なのかを,「適性処遇交互作用」という用語を用い,教科書の内容を引用して説明しなさい。
[小問2] 小問1で引用した文献のリストを指定された様式で作成しなさい。
3. 評価
・上記の各課題に対して,以下の項目を満たしているかを照合します。
・下記9項目のうち,9項目を満たすとS,8項目を満たすとA,7項目を満たすとB,6項目を満たすとC,満たした項目が5項目以下でDの評語を与えます。
[問題1の評価項目]
(11) 学習者に与えるフィードバックの効果の大きさ(効果量)を教科書を引用して示し,集団の平均偏差値に換算するとどの程度の差となるのかを教科書及び講義の内容に基づいて述べている。
(12) 「適切なフィードバック」とはどのような特質を持つのかを教科書を引用して説明している。
(13) 「動機づけ」,「自己効力感」,「メタ認知」,「先行オーガナイザー」「自己調整学習」の5つの用語のうち3つ以上を用いて,図表を使い,電子ブックを引用して,教育心理学的に合理的に説明している。
(14) あらかじめ示したテンプレートに沿って本文中に引用し,指定したスタイルで引用文献リストを作成している。
[問題2の評価項目]
(21) 「浅い理解」「深い理解」「構成的概念的理解」を教科書の内容に基づいて説明している。
(22) 「深い理解」を促すには学習者がどのような思考や処理を行えばよいのかを,図表を使い,電子ブックを引用して,教育心理学的に合理的に説明している。
(23) あらかじめ示したテンプレートに沿って本文中に引用し,指定したスタイルで引用文献リストを作成している。
[問題3の評価項目]
(31) 学力に影響をあたえる諸要因や教師が行う介入の単独の効果を取り上げるのではなく,これらの組合せを検討して実際の学習指導を行うことがなぜ必要なのかを,「適性処遇交互作用」という用語を用い,教科書の内容を引用して説明している。
(32) あらかじめ示したテンプレートに沿って本文中に引用し,指定したスタイルで引用文献リストを作成している。
4. 評価結果の扱い
・1月22日(金)までに,教職ログブック上でフィードバックします。
・評価結果に対する異議申し立ては,1月24日(日)まで受け付けます。この期間以外の異議申し立ては一切受け付けません。
・1月24日(日)までに異議申し立てのない場合には,評価結果に同意したものみなし,異議申し立ては一切受け付けません。